初めてのクリスマス

　今日はクリスマス・イブ。
　
昨日の話の続きだけど、日本で初めてのクリスマスのお祝いは、ここ山口県でなんだ。
　今から455年前の12月25日のお祝いが、今残っている一番古い記録なんだって。
　なんでも夜通し神様のことについてお話して、翌朝歌をうたって、その後みんなで御飯を食べたらしい。当時の日本人はキリスト教を悪魔扱いすることも多かったのに、山口県のこの人たちは心からクリスマスを祝福したんだって。

ボクたちのご先祖は真面目だったんだなあ。
一方その子孫はというと、やれ値段のはるプレゼントを貰っちゃろうとか、やれご馳走をたらふく食べちゃろうとか、はたまたやれどうにかしてあの子をモノにしちゃろうとか、どろどろの欲望で渦巻いているというのに。

せめてボクだけでも厳かにクリスマス・イブの夜を迎えよう。

ボクが佇んでいると、姉貴がボクを指差し母さんに言った。
「ねえ、これも今夜丸焼きにしようよ」