俺たちの楽しみ
キャロ：「俺もー、若兄ちゃん待ってよー」
夕飯の後片付けの時、若とキャロが台所に入ってくる。
言っとくけど、ボクはあいつらが入るのを許可した訳ではない。
台所と居間を仕切るドアさえ閉められなければ、猛攻撃をかけてやるところなのだが。
若 ：「今日も例の御飯あるね。いっただっきまーす」
キャロ：「若兄ちゃん、俺もー」
若とキャロは、ナムが食べるダイエットフードが好物である。
低カロリーであんまり美味しくはないと思うのだが。
ボクは一度も口をつけたことがない。
若とキャロは、外猫用の御飯そっちのけでナム御飯を食べる。
値段で選んでいるのかな。あっちのほうがはるかに高いから。外猫なのになんで値段が分かるのかな。
だから母さんは二匹がナム御飯をばくばく食べるのを、あまり快く思っていない。
キャロは恐れ（怖がりの意。父さんに「恐れ」は方言だと指摘された。そうだったんだ）だから、若が一緒の時でないと台所には入らない。
その代わり、若が一緒だと、若が食べているのを押しのけてナム御飯にがっつく。小心者のようで意外と図々しいところがある。
若は大人しくキャロに皿を譲っている。
見かねた母さんが、もう一皿、ナム御飯を盛って置いてやる。
母さんも結構甘いと思う。
こうして二匹仲良く、心ゆくまで御飯を食べるのでした。
そんなに美味しいのか？
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