雨の歌を聴けば
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夜明け前、下の庭の方から若の鳴き声が聞こえた。
みんな寝床から起きて、母さんがいつものように台所のドアを開けた。
若は帰っていなかった。
また夢だったのか。声だけの夢。
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「アイルランドの音楽って、雨に合うんだねえ」
姉貴の友達が、アイルランドの音楽を聴きながら発見したこと。
そのＣＤを姉貴が借りて帰ったので、ボクも雨とともに聴いてみる。
ふむ、どちらが伴奏だろうね。
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今年になって、雨の日も好きになる。
１ヶ月ぶりにキャロが戻ってきた日の、その２，３日前に、キャロの夢を見て、その情景のなかで確か雨が降っていたから。
きっかけなんて、きっとそんなもの。
キャロ帰還の翌日が雨だった。
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