いいことあったんだ。
夕方、外に出たら、黒猫お嬢に出会ったんだ。
それも、ボクんちの、すぐお隣の、塀の上から、ボクのこと見てたんだ。
黒という色が、あんなに深い輝きをもっていたなんて。
その黒をキュッと引き締める瞳の金・・・あんなに・・・表情豊かな・・・
家に帰ったら玄関に、たいそう立派な百合の蕾が生けてあった。
知り合いの方がたった今届けてくれたとのこと。
“この恋の蕾が夏の息吹に育てられ、
今度お逢いするときまでには美しい花となっておりますように！”
―――シェイクスピア戯曲より
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