年の瀬に

　雨のそぼ降るなか散歩に出た。
　
山茶花の暗い紅が冬景色を照らしていた。

　坂を降りると、若がオートバイに乗っていた。
　「オートバイに乗っていた」というと、何だか若がブンブン乗り回しているようだが、何てことはない、腰かけ台の上で丸くなっていたというだけのこと。このオートバイの上は、この界隈の猫の休憩スポットである。

　冷えるから今日の散歩はこれで終わり。
　家に帰りボクの休憩スポットで一息つこう。
　それは勿論、「こ」で始まり「つ」で終わる冬の必須アイテムさ。