緑雨の侯
雨の朝。
デッキでキャロが、若にスリスリしている。
子猫みたいなからだつき。
白と薄茶の模様具合。
そしてあの緑の瞳。
もう二度と見られないと思っていた姿が、今再び、ここにこうして形を成している。
一か月前とまるで変わらない光景のようでありながら、どこか違う。
キャロは長い旅から帰って、ひとまわり成長したように感じられる。
若とのスリスリもそこそこに、どこかへ出掛けてしまった。
* * * * * * * * * *
雨に洗われたさくらんぼは、みな雫をあごにくっつけていた。
その向こうから、キャロの「ナオーン、ナァオーン」という声が聞こえた。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
読んでくれてありがとう。
もし良かったら、こちら↓
http://www.yamaguchi-blog.com/wj.php?cd=006p
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一か月前とまるで変わらない光景のようでありながら、どこか違う。
キャロは長い旅から帰って、ひとまわり成長したように感じられる。
若とのスリスリもそこそこに、どこかへ出掛けてしまった。
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雨に洗われたさくらんぼは、みな雫をあごにくっつけていた。
その向こうから、キャロの「ナオーン、ナァオーン」という声が聞こえた。
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