蝉のいない‘夏’

久しぶりに太陽の光を体に浴びる。



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南の海から生まれた風が、今、この地を吹き渡る。

四足の底に力を込める。



むうんとたちのぼる土の匂い。

その匂いを胸いっぱい吸い込む、空の口。

その口から力いっぱい吐き出す、雲の塊。



次から次へと零れ出る太陽の粒。

光と梢の談笑。

対する緑陰の静寂。



蝉の声だけが存在しない、‘夏’一日体験。


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世界の急な変化に、白い額紫陽花がびっくりしていたよ。

ボクも何だか圧倒されて、そこそこで屋内に引き揚げた。



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