○○王子
ハンカチ王子にハニカミ王子、はたまたは絆創膏王子と、近頃やたらと王子が多い。しかし、この王子流行りの礎を築いたのは、このボクである。ボクはあいつらが「○○王子」と呼ばれるずっと前から既に王子の称号を持っていた。
その名もずばり、「トイレ王子」だ。
1階のトイレの窓枠は、ボクのお気に入りの場所だ。
「おい、トイレのドア開けろよ、にゃおん」
「はいはい」
「おい、早く窓を開けろ、にゃおおん」
「はーい」
そうして網戸ごしに外の景色を眺めるのが好きなんだ。
午後7時頃、いつもお隣さんの車が帰ってくるのをトイレの窓から迎えるのもボクの日課だ。
「あ、ニニちゃんが今日もいるよ」
と、車から出てきたお隣さんは喜んでくれる。
こんなボクを家族は、「トイレ王子!」とあがめたてまつっている。
今朝も父さんの長いトイレの後、すかさず入り込んだ。他の家族は「臭いのによく入るね」と言うが、ボクは平気なんだ。
「本当に、ニニはトイレ王子だからねー」
ところで、実は父さんも王子の称号を持っている。
ずばり、「小皿王子」。御飯の時に、何かと取り皿を所望するからだ。
ただし、「トイレ王子」のほうが格は上で、家族の尊敬度にも歴然たる格差がある。
ちなみに、今京都にいる兄貴は、まだ本人の了解は取っていないが、「そとづら王子」となっている。
その名もずばり、「トイレ王子」だ。
1階のトイレの窓枠は、ボクのお気に入りの場所だ。
「おい、トイレのドア開けろよ、にゃおん」
「はいはい」
「おい、早く窓を開けろ、にゃおおん」
「はーい」
そうして網戸ごしに外の景色を眺めるのが好きなんだ。
午後7時頃、いつもお隣さんの車が帰ってくるのをトイレの窓から迎えるのもボクの日課だ。
「あ、ニニちゃんが今日もいるよ」
と、車から出てきたお隣さんは喜んでくれる。
こんなボクを家族は、「トイレ王子!」とあがめたてまつっている。
今朝も父さんの長いトイレの後、すかさず入り込んだ。他の家族は「臭いのによく入るね」と言うが、ボクは平気なんだ。
「本当に、ニニはトイレ王子だからねー」
ところで、実は父さんも王子の称号を持っている。
ずばり、「小皿王子」。御飯の時に、何かと取り皿を所望するからだ。
ただし、「トイレ王子」のほうが格は上で、家族の尊敬度にも歴然たる格差がある。
ちなみに、今京都にいる兄貴は、まだ本人の了解は取っていないが、「そとづら王子」となっている。