ニニの日記

白猫のニニ王子が、日々の暮らしを綴ってゆきます。

みーやのこと

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 シマッタ。昨日はこのことを書けば良かった。
昨日でちょうど一カ月だったんだ。みーやが巣立っていってから。

 「みやおー、みやおー」
 ある日突然、我が家の庭に子猫が迷い込んできた。まだ生後1,2カ月ほどだった。
 最初は男かと思っていた。ちょうどボンボンのある箇所が、黒かったからね。だがそれは単なる模様で(紛らわしい)、じきに女の子であることが判明した。
 
正直、ボクはみーやが来たのは嫌だった。家族がやたらとみーやに目をかけるんだもの。
こんな小娘に、プリンス・ニニの地位を脅かされてなるか。
「シャーッ!」
ボクはみーやに向かって毒を吐いた。それでもみーやはボクの目をじっと見て、
「みやおー、みやおー」
と近寄ってくるんだ。慌てて離れた。
 
 「お前、どうしたんだよ、どこから来たんだい?ここに来ればもう安心だぜ」
 若がみーやに近づいていった。初めこそ唸り声をあげていたみーやだったが、すぐに若に甘えるようになった。若は女みたいな性格だからな。子育てが上手いんだ。うちに来た子猫は、みんな若が面倒を見てきた。

 しかし、ボクはみーやがここにいることを許せない。その意思は家族にも示した。
「ボクは絶対嫌だからな」
 心が狭いと思うかい?けれど、考えてみてくれよ。たとえば人間の子だって、今までお母さんに一心に可愛がられて暮らしていたのに、ある日突然見知らぬ子が来て、「今日からうちの子よ」って言われたらどうだい?しかもお母さんは自分そっちのけで、その子ばかり可愛がるようになったら。
 うちの家族はそのへんは良く理解してくれた。すぐにみーやの新しい家族を探し始めた。
まもなく、とてもいい家族が見つかった。

 お別れの日。
 若と一緒にいたみーやを、姉貴が抱き上げた。
「みーや、若ちゃんにバイバイしてね」
ゆっくりと車のほうへ歩いていった。若は最後までみーやのことを見ていた。そうして車に乗って、無事、新しい家族のところへ行ったんだ。
 それが9月14日のことだった。

 あれから一月。もうすっかり秋になった。
みーやはとても大切にされているらしい。向こうの家庭でも「みーや」と呼ばれているそうだ。随分大きくなっただろうな。

 ボクも昔、草むらでみゃあみゃあ鳴いているところを姉貴に拾われてここに来た。今じゃ立派な白猫王子。必死に鳴いていたみーやがふと、幼い日の自分と重なった。
  良かったな、みーや。お互い、もっともっと幸せになろうな。