「とったどー！」

　小動物を飼っていらっしゃる方は、今日の日記は読まれないほうが良いと思います。


　昼下がりに、外から変な鳴き声が聞こえてきたんだ。
「誰？」
どうやらナムの声のようだが・・・ちょっとおかしい。妙にくぐもっている。
（ははん）
ボクはピンときたね。

母さんが窓を開けると、ナムが飛び込んできた。口に雀をくわえて。
「っ・・・！」
母さんと姉貴は一瞬ひきつったが、
「・・ナムちゃん、よう捕まえてきたねえ」
とっさに猫なで声を出して切り抜けた。ナムは得意満面だった。

人間の諸君、良く覚えておいてくれたまえ。
猫は捕まえた獲物を飼い主に見せにくる。母猫が、捕らえた獲物を子猫に持って帰ってやるように、人間のところに運んでやるんだ。
え？人間は獲物なんか食べない？ああ分かった。でもこれだけは覚えておいてくれ。その時に怒ってはダメ。とにかく褒めてあげてくれ。猫はいいことをしてるんだから。

　「ナムちゃんすごいわねえ」
母さんがナムをおだてている間に、姉貴は雀を埋めにいった。見事な連係プレー。

　小鳥には申し訳ないと思う。でも、これはボク達の本能なんだ。目の前に何か飛び込んできたらすぐ瞼を閉じるのと同じように、目の前に獲物がいたら捕まえずにはいられないんだ。

　ナムはすぐに外へ出ていった。また狩りに出かけたのかな。